背中 にきびをターゲットに
ファツンヨン業界は制作面でもデザイナーやパタンナーなど、流動的に企業間を越えて人材が動きます。
フリーフンスがプロジェクト的に集結して、新しいブランドを作るということも容易です。
つまり、自分自身のスキルをもとに、企業の枠を越えて横串に仕事をしていく業界です。
化粧品業界には企業を越えて横串で仕事をしている人はあまりいません。
社内で仕事を内製するケースが多く、アウトソーシングもあまり活発な業界ではありません。
フリーランスがいたとしても、ある会社にほぼ専属で仕事をしています。
外資系の語学優先で異動している人を除いて、企業間の異動も他の業界に比べて少ないのです。
化粧品業界がアパレルのように個人中心ではなく、会社組織中心の業界であることが理由といえます。
アパレルなら自分で洋服を数点作り、自分自身で販売していくことも容易ですが、化粧品の場合、個人レベルで製造から販売まで行うことは困難です。
化粧品ビジネスは、仕事ごとに専門の担当者をまとめ上げ、組織化して進めるビジネスです。
企業内に専門人材を確保して育成するのが一般的です。
化粧品会社の組織は、大きくは商品開発・製造グループ、マーケー「ンググループ、営業グループの三つに分かれます。
商品開発・製造グループには、商品開発、研究開発、製造などの部署の人たちが入ります。
マーケフィンググループには、マーケティング、宣伝、販促、PRなどの部署の人たちが入ります。
営業グループには、営業社員、美容部員、教育担当者などが入ります。
大手制度品会社では、この三つのグループはすべて重要視されています。
外資系化粧品会社のように、商品開発・製造は本国で行うような企業では、マーケティング、営業の部署が中心です。
OEM会社(相手先ブランド製造会社)などは、商品開発・製造と営業が中心となります。
ユニークな商品を開発して一般品流通で販売しているような会社は、商品開発部署だけで運営していることもあります。
このように、会社の性格により、三つのグループの社内での重要性は異なります。
メーカーが生き残るには、市場のニーズに適った新商品の開発が重要です。
そのために、市場動向を十分に知っておく必要があります。
最初に商品開発・製造グループの仕事について説明します。
自社の作った商品を売って利益を上げることが目的ですから、商品を作ることが最初の第一歩です。
何年も新しい商品を作らず、同じ商品を売り続けている会社もあります。
ほとんどは時代や消費者のニーズに沿って、最新の技術を採り入れた商品を市場に投入しています。
消費者の多くは新しい、より性能のいい商品を求めています。
旧商品の販売だけに固執している企業は、徐々に売上を落とし、最後には行き詰ってしまいます。
化粧品はとても競争の激しい業界ですから、ある会社が優れた商品を開発したとすると、他のライバル会社がすぐにより良い商品を開発してきます。
そして、さらにより良い商品を生み出そうと、化粧品会社の研究員は日夜努力しています。
化粧品会社に原料を供給する会社も、より効果のある成分を含んだ原料をメーカーに届けようと努力しています。
現状の商品を売り続ければいいと考えていたら、ライバル会社にどんどんと置いて行かれるだけです。
商品開発・製造グループを担当するものは、常に最新技術や情報に触れ、市場の動向やライバル会社の商品を分析し続けなければなりません。
あるカテゴリーでビジネスチャンスが広がったら、すぐに対応できるように準備が必要です。
商品開発部員は、常に自分の担当分野の市場、例えば、ファンデーション担当であれば、ファンデーションの市場について常に市場動向を監視し、分析していなければなりません。
顧客ニーズの変化、商品タイプ別の売上推移、販売現場からの生情報、同業他社の売上動向、同業他社の次シーズンの新製品情報、新しい技術の動向、行政や学会を含めた業界全体の動き、こういった動きについて、担当分野に関しては社内の誰よりも知らなければなりません。
当然、ライバルの資生堂の商品をよく研究していました。
後年、カネボウを退社したあと、資生堂の商品開発の担当者と話をする機会がありました、筆者が資生堂商品のことを資生堂社員以上に知っていたので、担当者に驚かれました。
商品開発部員にとって最も重要な仕事はコンセプトづくりです。
市場ニーズのあるコンセプトを研究所に対して示し、商品開発はスタートします。
商品開発部員は担当市場の動向を常に分析し、新商品投入のタイミングを図ります。
自社の主力商品の売上が鈍化する時期、他社の主力商品のリニューアルの予測時期、自社研究所の新しい技術を世に出せる時期などから計画します。
新商品発売の大筋の合意が社内で認められると、商品開発のコンセプトが検討されます。
このコンセプトの検討が、商品開発の仕事で最も重要な仕事です。
まずは顧客ターゲッ卜の決定です。
どんな顧客に向けて商品を出すのかを明確にします。
例えば、二〇代前半に向けた商品であるとか、シワに悩む人に向けた商品、などのようにターゲットを明確にします。
もちろん、ターゲット顧客がどれくらいの市場規模で存在するのか、ライバル社の同様商品のターゲ。
卜とどう違うのか、などの細かい分析がベースとして必要です。
ターゲットとなる顧客に、この化粧品はどんな価値を与えられるのか、ということが商品のコンセプトです。
例えば、ファンケルの無添加化粧品。
のターゲットは、「自分は敏感肌である」と思っている人です。
市場の可能性としては、白分か敏感肌だと思っている人は全体の七割いて、他社もまだ本格的に取り組んでいない分野なので、可能性大ということになります。
コンセプトは「肌に害になる成分がいっさい入っていないので、お客様に安心してお使いいただける」となります。
つまり、化粧品のコンセプトとは、顧ファンケルが開発した防腐剤などの、表示指定成分をいっさい加えない化粧品シリーズ。
このコンセプトが明確になったら、商品開発部員は研究所員にコンセプトを伝え、開発を依頼します。
ターゲッ卜やコンセプトが明確であれば、研究所員の仕事もやりやすくなります。
かなえる効果が明確であれば、そういった効果を出す成分を見極め、配合すればよいのです。
例えば、「この商品は敏感な肌の人に向けた商品で、お客様にいっさいトラブルは与えない」となっていたら、研究所員は安全性を最優先に処方します。
研究所員が処方を決める場合、「Aという成分を配合すれば、効果は上がるがコストも上がる」だとか、「もう少し効果を強めると、肌の弱い人にトラブルを起こす人が出るかもしれない」など、商品開発部員に判断を求めてきます。
商品開発部員は決定したコンセプトに基づいて判断していきます。
商品開発部員は研究所、デザイナー、容器メーカー、製造工場などと連携を取って開発業務をコーディネートすることが仕事です。
商品開発部員から、研究所に依頼して新商品を開発するのとは別のケースもあります。
研究所の仕事としては、商品開発部と連携して化粧品を処方。
する部署以外にも、基礎研究をする部署、テーマ研究をする部署、安全性を試験する部署などがあります。
基礎研究やテーマ研究をする部署では、時代のニーズやトレントに合わせた研究が行われています。
